【売れるチラシの作り方】イラストレーターを使わずに「反響を10倍」にした15の方法

あなたは、以下のチラシAとBで、
どちらの反応が良かったと思いますか?


たくさんの反響が得られたのは、どちらのチラシでしょうか?


答えは「B」です。


どちらのチラシも同じ学習塾で、新聞や地域情報誌の折込み媒体をつかいましたが、
Bのチラシの方が、10倍以上のレスポンスが得られました。(問合せのお電話が10倍!)

ちなみに、チラシBはイラストレーターを使わず、私がワードでサクっと作ったチラシです。

見た目のデザインは、お世辞にもよいとは言えませんが、なぜ、これほどの差がでたのか?

今回は、この事例をもとに、反応の良いチラシの作るための方法をお伝えします。



目次


・事前準備
1. チラシに対する考え方を変えよう!
2. ターゲットと切り口は正しいですか?
3. 配布先、配布時期、配布エリアなどは適切ですか?
4. チラシに載せるべき内容を知っていますか?
5. どうすれば即ゴミ箱行きを防げるのか?

・コピーライティング
6. お客さまが無視できないキャッチコピーとは?
7. チラシ本文に書くべき5つの情報
8. チラシで使える「コピーライティング術」
9. わかりやすく、反応しやすい問合せ先ですか?
10. 表面と裏面の役割を知っていますか?

・デザイン
11. わざわざ読み難いデザインにしていませんか?
12. レスポンスを高める画像とは?
13. 見た目ではなく「内容の濃さ」を重視
14.「読みやすくする工夫」をしていますか?

・見直し
15. チラシの反応を高めるチェックリスト



1. チラシに対する考え方を変えよう!


チラシは読まれると思っていませんか?

もし、そう思われているのであれば、
制作うんぬんの前に考え方を変えなければなりません。

広告界の巨匠、マックスウェル・サックハイムは以下の格言を残しました。

「お客さまは、あなたの広告を読まない」
「お客さまは、あなたの広告を信じない」
「お客さまは、あなたの広告を読んでも行動しない(買わない)」



つまり、チラシは、お客さまにとって「読むのが面倒な紙切れ」でしかないということ。

まず、この考え方を持つことが何よりも大切。

そして、「どうすれば、お客さまにチラシを読んでもらえるか?」
という意識を強く持つことが、反応の良いチラシを作るうえで欠かせない心構えです。


2. ターゲットと切り口は正しいですか?


チラシを書きはじめる前に、やるべきことがあります。

それは、「誰に、何を言うのか?」を決定すること。

つまり、「どんなターゲットに、どんな切り口で商品を伝えるか?」ということですが、
ターゲットと切り口の設定がズレていると、どんなチラシも反応は得られません。

これは、「ダイレクト・レスポンス・マーケティングの基本」です。

ターゲットと切り口の設定について深く学びたい方は、以下の記事をご参照ください。

書く前に準備すべきこと(ターゲットの設定)
書く前に準備すべきこと(切り口の設定)



3. 配布先、配布時期、配布エリアなどは適切ですか?


どれだけ優れたチラシでも、適切にプロモーションせねば反応は得られません。

チラシを配布する場合は、ぜひ、以下4つのポイントにご注意ください。

【1】配布エリアは適切か?

あなたのサービスが地域密着型ならば、エリアを拡大してチラシを配布する必要はありません。広告費がムダになるだけです。もし、地域密着型のサービスであれば、配布エリアを絞り込み、そのエリアのお客さまのためだけにチラシを作成したほうが、反応はよくなります。

【2】配布時期は適切か?

あなたのサービスが最も必要とされる時期はいつになりますか?また、新聞に折り込むのであれば、何曜日が一番良いでしょうか?この質問に即答できなければ、目の前にあるチャンスを逃しています。チラシを配布するたびに、かならず、配布日時とレスポンスを記録しておきましょう。

【3】適切なターゲットにアプローチできるか?

若者向けのサービスであれば、新聞よりもフリーペーパーの方が適切なターゲットにアプローチできます。高齢者にアプローチしようと思えば、新聞の方が有効です。このように、媒体によって、アプローチできるターゲットは異なります。

【4】到達率は高いか?

到達率とは、「実際にチラシがどれくらいの人に見られたか」を示す割合のこと。有料購読の新聞やカタログであれば、お客さまが同封されたチラシを見る機会も増えるでしょう。しかし、頼んでもいないチラシがポスティングされた場合、お客さまの多くがチラシをゴミ箱へ捨ててしまいます。



到達率が低い媒体の場合、キャッチコピーの役割は、より重要となります。

また、「チラシを手書きにする」「グラバーを付ける」など、
「思わずチラシに注目してしまう仕掛け」を考えねばなりません。

※グラバーとは…?

広告のどこよりも目立つ部分に「商品と関連性のある現物」を貼り付けるテクニックのこと。詳細は、以下の記事をご参照ください。

「成約率が15%アップしたヘッドラインの裏ワザ」



4. チラシに載せるべき内容を知っていますか?


「チラシで何を書いたらいいかわからない!」と、悩む方はたくさんいらっしゃいますが、
チラシに掲載する情報は、大きく分けて以下の通りです。

【1】キャッチコピー

キャッチコピーの役割は、お客さまの注意を一瞬にして掴むこと。お客さまが無視できない情報を、できるかぎり大きく表示します。

【2】リードコピー

リードコピーの役割は、キャッチコピーで注意を掴んだお客さまの興味を膨らませること。このチラシを読むと、「お客さまにとって、どれだけ良いことがあるのか?」「どれだけ、有益な情報が得られるのか?」などを簡潔に語ります。

【3】ボディコピー

チラシを読み進めるお客さまを説得するパートです。商品のメリットや優位性、その証拠、お客さまがあなたの商品に申込まなければならない理由などを、あますことなく伝えます。

【4】オファー

オファーとは、お客さまへ提供できる「お得な約束」のこと。たとえば、無料体験、割引、特典、プレゼント、返金保証、サポートなどがあります。

【5】レスポンスデバイス

電話番号やハガキ、FAX申込みなど、問合せ先(申込み先)です。



5. どうすれば即ゴミ箱行きを防げるのか?


チラシ作りでもっとも注意すべきことは、なんでしょうか?

それは、チラシがゴミ箱行きになるかどうか、
お客さまは、「1秒以内」に判断してしまうこと。


では、ゴミ箱行きをどうやって防げばよいのか?

その秘訣は、ファーストインパクトで「なにこれ?」と思わせること。

ファーストインパクトは、「キャッチコピー」と「チラシの見た目」で決まります。

キャッチコピーで、お客さまが無視できない情報や、お客さまにとって有益な情報を簡潔に伝えなければ、どれだけ時間をかけて作ったチラシでも、一瞬でゴミ箱に放り込まれてしまいます。


赤丸で囲まれた部分が、キャッチコピーです


また、今回のチラシでは、競合塾の多くが横書きのチラシだったので、
チラシの見た目でインパクトをもたせるために、縦書きのチラシを採用しました。




6. お客さまが無視できないキャッチコピーとは?


お客さまの注意を一瞬で掴めるキャッチコピーとは、どのようなものか?

それは、以下3つの要素を満たしたキャッチコピーになります。

【1】「ベネフィット」を伝える

お客さまは、自分にとって有益な情報があるかどうかを知るためだけに、チラシへ目を通します。つまり、お客さまにとって、どんなベネフィットがあるのかを真っ先に伝えなければ、お客さまはチラシを読み進めることなくゴミ箱に投げ入れます。

※ベネフィットとは…?
そのサービスや商品を使うことで得られる、嬉しい体験のこと。

これでは、ただサービスの名前を宣伝しているだけ…

お客さまが無視できないベネフィットが語られています

【2】読み手を絞り込む

読み手の状態や、読み手が求めていることを具体的に絞り込みましょう。人は、自分の状態や欲求、悩みをドンピシャで言い当てられてしまうと、街中でいきなり自分の名前を叫ばれたような心理状態におちいります。つまり、お客さまはチラシを無視できなくなるのです。

読み手を絞り込んだメッセージがないキャッチコピー

読み手を具体的に絞り込んだメッセージがあるキャッチコピー

【3】キャッチコピーは紙面の3分の1以上にする

お客さまは「真剣に読もう!」といった気持ちで、チラシに目を通すわけではありません。ですから、キャッチコピーは、パッと見て何が書いてあるかを理解できるような大きさで書く必要があります。

チラシから3メートル離れた場所から見ても、だいたいどんなことが書かれているかを理解できる大きさでキャッチコピーを書きましょう。お客さまから注目してもらうためには、「見た目に目立つ」という要素は、とても大切です。

どちらのチラシが、キャッチコピーの内容を一瞬で理解できますか?



7. チラシ本文に書くべき5つの情報


キャッチコピーで注意を掴み、リードコピーでチラシを読む気にさせたあと、
チラシ本文では、何を伝えるべきでしょうか?

赤枠内には、どのような情報を記載すべきか?


チラシ本文には、最低でも以下5つの情報を盛り込むべきです。

【1】他ではなく、あなたの商品を選ばなければならない理由

これだけたくさんの商品やサービスがあふれかえる今、お客さまは「正しい選択をしたい!」と思っています。つまり、あなたの商品を選ぶことが、お客さまにとってもっとも賢い選択である理由や根拠を伝え、他社では手に入らないベネフィットを伝えなければなりません。

【2】あなたの商品やサービスが信頼できる証拠

どれだけ売り手が「うちのサービスは最高ですよ!」と伝えても、それは、お客さまにとって、耳の痛いセールストークにすぎません。あなたの商品やサービスが信頼できることを伝えるには、お客さまの声、実績、権威ある人や著名人の推薦文など、客観的なデータを見せる方法が何よりも有効です。

【3】お客さまが抱えそうな疑問には、すべて答えをだしておく

チラシでは、お客さまが知りたいと思う内容について、すべて回答しておく必要があります。なぜなら、少しでも疑問が残ったために、不安な気持ちが膨らみ、問合せを躊躇するお客さまもいらっしゃるからです。

【4】お客さまの不安やリスクを解消するオファー

誰もが買い物で失敗したくありません。そして、この失敗したくない気持ちが、お客さまの購入をためらわせます。お客さまの背中をひと押しするためにも、返金保証、メールサポート、お試し、無料体験、無料相談などのオファーを用意しましょう。

【5】いますぐ、問合せ(申込)しなければならない理由

チラシに興味を持ったものの、「後で電話してみるか。」と思ったお客さまのほとんどが、その後アクションすることはありません。問合せを後回しにさせないよう「先着●名様!」のように「今すぐ問合せしなければならない理由」を訴求せねばなりません。



8. チラシで使える「コピーライティング術」


反応の高いチラシを作るには、文学センスや優れた国語力は必要ありません。

必要なのは、「お客さまの欲しい気持ちに火を付けるコピーライティング術」です。

ここでは、すぐに使えるコピーライティング術を9個ご紹介します。

【1】ベネフィットを語る

お客さまが求めているのは、あなたの商品でもなければ、あなたの商品の特徴やメリットでもありません。お客さまは、ベネフィット(商品を使うことで手に入る嬉しい体験)を求めています。

【2】お客さまの感情を刺激する

マーケティングには、「人は感情で行動する」といった常識があります。あなたの商品が、お客さまの悩みを解消し、欲求を満たすことを語り、読み手の感情を刺激しなければなりません。

【3】読み手と共感する

あなたのことをよく理解してくれている人と、あなたのことを理解していない人。あなたが好感を持ち、信用したくなる人はどちらでしょうか?チラシの文章では、あなたが読み手のことを深く理解していることを語り、読み手から共感を得なければなりません。

【4】ただの自慢話で終わらない

チラシの主役は、商品でも、販売者でもありません。主役はお客さまです。もし、自慢したい話があるのなら、それが、お客さまにとってどんなベネフィットになるかを説明しましょう。

【5】小見出しで注意を掴む

小見出しには2つのメリットがあります。1つ目のメリットは、文章を読みやすくすること。2つ目は、流し読みするお客さまの注意をつかみとることです。もし、小見出しが魅力的であれば、流し読みするお客さまをチラシ本文へ誘導できます。

【6】難しい言葉は使わない

「難しい」「よくわかんない」と思った瞬間、お客さまはチラシを読むのをやめてしまいます。チラシに記載する内容は、誰でもわかる表現を心がけましょう。もし、どうしても難しい話を伝えなければならないのであれば、「たとえ話」や「ストーリー」、「図解」を使うことをおすすめします。

【7】ひとつの文章を、もっと短く!

歯切れよくサクサク読める文章でなければ、読み手は疲れてしまい、チラシを読むのをやめてしまいます。もし、ひとつの文章が数行にわたってしまったら、その文章を、いくつかに分割して短い文章にできないかを考えてみてください。そうすれば、読みやすさは抜群にアップします。

【8】意味の分からない文章に注意

どれだけわかりやすく書いたつもりでも、読み手からすれば意味がわからない文章になることはよくあります。ご家族やご友人など、関係者以外の人にチラシを読んでもらい、意味がわからなかったパートを指摘してもらいましょう。

【9】数字や比較を使い、具体的に表現する

数字や比較を使った具体的な表現は、説得力を高めます。たとえば、「とても大きな国!」「日本の10 倍大きい国」、「毎日たくさん売れている!」と「10秒に1個売れている!」では、どちらがイメージしやすいでしょうか?もし、具体的な表現ができるパートがあれば、すべて言い換えましょう。



9. わかりやすく、反応しやすい問合せ先ですか?


電話番号などの問合せ先(申込先)の表示ですが、注意点が5つあります。

【1】問合せ先は、わかりやすい場所へ大きく表示すること

問合せ先は、チラシを読み興味をもったお客さまが「すぐに見つけられる場所」に配置すべきです。なぜなら、「連絡先がよくわからない」というささいな理由で、問合せをやめてしまう方もいらっしゃるからです。

通販会社のチラシやホームページのように、電話番号などの問い合わせ先は、わかりやすい場所に大きく、目立つように表示しましょう。

問い合わせ先は、大きく表示すること

【2】今すぐ問合せすべき理由を伝えること

チラシに興味を持ったものの、「後で電話してみるか」と思ったお客さまのほとんどが、その後アクションすることはありません。なので、お申込み案内の近くには、電話を後回しにさせないよう「先着●名様!」のように「今すぐ問合せしなければならない理由」を訴求せねばなりません。

今すぐ問合せすべき理由を伝えること

【3】何をどうすればよいかを指示すること

「どうやって連絡すればよいかわからない」というささいな理由で、問合せをやめてしまう方もいらっしゃいます。「お問い合せは、いますぐフリーダイヤルまでお電話ください」「お申込用紙にご記入いただき、00-000-000までFAXしてください」など、ちょっとした案内があるだけで、お客さまは迷わずレスポンスできます。

何をどうすればよいかを指示すること

【4】問合せ方法は、1種類よりも2種類

問合せ先は、電話番号だけではなく、メールからの連絡手段も用意しておきましょう。今の時代、電話よりもメールに慣れているお客さまもたくさんいらっしゃいます。

問合せ方法は、1種類よりも2種類

【5】「くわしくはホームページで!」という問合せ先は最悪

時々、URLだけを掲載しているチラシを見ますが、あれは本当によくありません。お客さまは、そこまで、あなたのために時間と手間を割いてくれません。伝えるべきことはチラシでしっかりと伝え、読んだ後すぐに電話したくなるようなチラシが、反応の高いチラシです。



10. チラシの表面と裏面、それぞれの役割を知っていますか?


もし、両面刷りのチラシを作るのであれば、以下の点にご注意ください。

【1】表面だけでも、購入を決断できるだけの情報を記載

お客さま全員が、裏面までじっくりとチラシを読む時間があるわけではありません。お客さまによっては、表面の案内だけでレスポンスすることもあります。よって、表面だけでも、お客さまが商品の購入を決断できるだけの情報と、問合せ先やオファーを表面に記載しておくべきです。

表面だけでも、購入を決断できるだけの情報を記載すること

【2】裏面にもキャッチコピーが必要

お客さまによっては、裏面からチラシを見る人もいらっしゃいます。そんなお客さまの注意を一瞬で掴みとるためにも、裏面に魅力的なキャッチコピーを用意しましょう。

裏面にも必ずキャッチコピーを入れること

【3】表面のキャッチコピーが一番目立つように

一番目立つ場所を、あえて作っておかなければ、お客さまは、あなたのチラシが必要かどうかを判断する以前に、チラシを無視してしまいます。なぜなら、何に注目すればよいかがわからないからです。

表面のキャッチコピーが一番目立つようにすること

【4】「裏面もご覧ください」という一文を、表面に記載

表面だけを読んだお客さまよりも、裏面もしっかり読んだお客さまの方がレスポンスしてくれます。ですから、表面下段のなるべく目立つ場所で、お客さまへ裏面を読むことを催促しましょう。シンプルなテクニックですが、人は指示されたとおりに動いてしまう習性を持っています。

シンプルですが、効果的なテクニックです

【5】裏面には「まとめ」と、より詳細の情報を記載

裏面では、表面で伝えたことを簡潔にまとめ、さらに、表面では伝えきれなかった情報をお伝えし、お客さまを説得します。

多くの方が、表面で興味を持ち、裏面で納得してからレスポンスしますので、裏面には即座にレスポンスできるよう、オファーや問合せ先をわかりやすく記載しなければなりません。

表面で伝えられなかった情報を裏面で伝えます



11. わざわざ、読み難いデザインにしていませんか?


プロならば、デザインにこだわるのは良いことです。

しかし、素人がデザインにこだわると、
逆にチラシが読み難くなってしまう場合があります。

ここでは、そうならないためのポイントをご紹介しましょう。

【1】悩んだら「KISS」を思い出す

「KISS」とは、”Keep It Simple Stupid”(シンプルにしなさい!)の略で、広告の父と呼ばれる「デイビッド・オグルビー」の名言です。

オグルビーは著書の中で、広告のデザインは何よりも、読みやすさを重視すべきとおっしゃいました。デザインに迷った場合は「KISS」を思い出し、シンプルで読みやすいアイディアを採用しましょう。

【2】奇をてらったフォントは読み難いだけ

フォントは、読者が普段から見慣れているものを使うこと。紙媒体であれば、書籍、雑誌、新聞などで使われているテキストと同じフォント(明朝体やゴシック体)を推奨します。ただし、手書きフォント関しては、読み手の注目度が高まるのでキャッチコピーや小見出しなどで活用できます。

【3】アイフローを意識して情報を配置する

チラシのレイアウトは、「お客さまの目の動き=アイフロー」を想定して決める必要があります。縦書きの広告であれば「N型」のアイフローを、横書きの広告であれば「Z型」のアイフローを意識してください。

お客さまの目の動きを考えて、レイアウトを作ります

【4】カラフルにすれば良いというものではない

キャッチコピーや小見出し、オファー、問合せ先等は、お客さまを注目させるために目立つ色を使うべきです。しかし、説明文など、お客さまを説得するための文章は黒文字をベースにし、注意してもらいたい部分だけに色を使いましょう。

むやみにカラフルにするのは、読みにくくするだけです

【5】白抜きよりも、白地に黒文字

白抜き文字よりも、白地に黒文字の方が読みやすく、広告の反応が高くなることが、これまでの広告テストで明らかになっています。ワンポイントで目立たせたいところ以外は、なるべく、白抜きは使わないようにしましょう。

白抜き文字は、読みにくくなります



12. レスポンスを高める画像とは?


写真やイラストはチラシのスペースを大きくとってしまいます。

なので、写真やイラストを載せるならば、
以下の点に注意してレスポンスを高める素材に厳選すべきです。

【1】イラストよりも写真がオススメ!

イラストよりも、写真のほうが伝える情報に信憑性をもたらせますから、読者の注意を惹く上で効果的です。例外として、漫画形式で、商品やサービスを説明する場合、イラストはとても効果的です。

【2】シズル感の高い写真を使う

シズル感の高い写真は、キャッチコピーと同じようにお客さまの注意を一瞬で掴めます。シズル感の高い写真とは何か?それは、「閲覧者の欲求が、激しくかきたてられる写真」とお考えください。

たとえば、焼き肉であれば、お皿に盛られた肉ではなく、肉汁があふれだす焼きたての肉か、今まさに口元に運ばれているシーンの写真となります。

【3】写真を証拠として使う

「百聞は一見に如かず」ということわざが意味するよう、どれだけ優れた論証よりも、たった一枚の証拠写真の方が、人々を説得できます。

もし、あなたが、効果効能をベネフィットとする商品やサービスを扱っているならば、その劇的な効果が、目で見てすぐに分かる写真を用意してください。

また、塾や英会話、治療院など、人を集めるビジネスの場合、たくさんの受講生が通っている事がわかる写真も「そのサービスが信用できる証拠」として使えます。

【4】人の顔写真を使う

人の顔の写真を入れることは、多くの場合、効果的です。なぜなら、人の顔は目に止まりやすいからです。しかし、人の顔写真を使う場合は、以下のどれかにあてはまる必要があります。

・ターゲットが憧れるような人物の顔写真
・ターゲットが共感を持てる人物の顔写真
・ターゲットが好感を持てる人物の顔写真

※サービス提供者や商品開発者などの顔写真を掲載するのも効果的です。なぜなら、販売側の顔出しは、「自信があるから顔をだせる!」といった心理効果を生み、商品やサービスの信用力アップにつながるからです。

【5】キャプションを付ける

キャプションとは、写真の下に入れるテキストのこと。キャプションがある画像は、読者の注目を得た後、すかさずメッセージを伝えられる「コミュニケーション装置」になります。なぜなら、人は、画像を見た後、その下にあるテキストを読んでしまう習性があるからです。

つまり、キャプションで、あなたの商品の魅力を伝える文章があれば、画像に注目した人のほとんどに、商品の良さを訴求できます。また、キャプションに気になる言葉が書いてあれば、画像に注目した人のほとんどが、そのチラシを読んでみようと思います。

あなたは今、この文字を読んでしまったのでは?

【6】写真と文章はなるべく被らないように

写真と文章が被ってしまうと、文章がとても読みにくくなります。できれば、画像と文章は分けて表示しましょう。スペース的にどうしても被せる必要がある場合は、文章が独立して見えるように編集しましょう。

【左】文字と文章が被ったダメな例、【右】文字と文章を分けた例



13. 見た目ではなく「内容の濃さ」を重視


見た目で目立つことは、お客さまをチラシに注目させるうえで大切ですが、
それはキャッチコピーの役割とお考えください。

ボディコピーでは、チラシを読みはじめたお客さまへ、
あなたの商品やサービスがいかに優れているかを、余すことなく伝える必要があります。




14.「読みやすくする工夫」をしていますか?


チラシでは、伝えるべき情報をあますことなく記載せねばなりません。

とはいえ、あまりに文章ギッシリのチラシだと、お客さまは読む気が失せてしまいます。

しかし、以下の「読みやすくする工夫」をほどこせば、
文章量が多くなっても、お客さまにとって読みやすいチラシを作れます。

【1】小見出しをつける

全体の文字数が多くなる場合は、文章を分割し小見出しを付けて、全体を「小さなセクション」に分けましょう。

小見出しを付けることで、読みやすくなります

【2】行頭揃えにする

横書きの場合は、文章を左寄せで行頭揃えにすること。縦書きの場合は、右寄せで行頭揃えにすること。読み物として発達してきた雑誌や新聞が良い例です。

本文を中央揃えにすると、読みにくくなります

縦書の場合は、右寄せの行頭揃えにすると読みやすくなります

【3】段組みデザインを使う

一行の文字数が多くなる場合は、一行あたりの文字数を制限し、段組のデザインを活用すること。紙媒体の場合は、「一行あたり11文字~15文字前後」を推奨します。これは、雑誌や新聞の文字数です。

二段にするだけで、グンと読みやすくなります

【4】メリハリを持たせる

重要な箇所は、太字、下線、マーキング、色の変更などで装飾すること。ただし、装飾し過ぎると逆にゴチャゴチャしますので、全体の文章量の3割以下を目安にしてください。

左右のどちらがメリハリのある文章でしょうか?

【5】線を活用する

文章がゴチャゴチャしがちなところは、線を効果的に活用することで読みやすく整理できます。

線を引くだけで、スッキリ読みやすくなります

【6】枠で囲む

「ジョンソンボックス」と言われる手法ですが、目立たせたい部分を四角枠で囲むだけで、読み手はその部分に注目してしまいます。また、全体の見た目も整理され、読みやすくなります。

【左】枠を活用していない例、【右】枠を活用した例



15. チラシの反応を高めるチェックリスト


チラシを作ったあと、即印刷してはなりません。

まずは、完成したチラシを2日間ほど放置しましょう。

そして、以下のチェックリストを参考に、チラシを見直してください。

反響の高いチラシを完成させるために、
どこをどのように改善すべきかがわかります。

√ ターゲットと切り口は正しいか?
√ キャッチコピーは、読み手の注意を一瞬でつかめているか?
√ ベネフィットを語っているか?
√ お客さまの感情を刺激しているか?
√ ただの自慢話になっていないか?
√ 他ではなく、あなたの商品を選ばなければならない理由はあるか?
√ あなたの商品やサービスが信頼できる証拠はあるか?
√ お客さまが抱えそうな疑問には、すべて答えをだせているか?
√ お客さまの不安やリスクを解消するオファーはあるか?
√ いますぐ、問合せ(申込)しなければならない理由はあるか?
√ 小見出しは魅力的か?
√ 難しい言葉を使っていないか?
√ ひとつの文章を、もっと短くできないか?
√ 意味の分からない文章はないか?
√ もっと、具体的に表現できないか?
√ わかりやすく、反応しやすい問合せ先か?
√ 読みやすいか?
√ 写真やイラストを無駄に多用していないか?



まとめ :「チラシは印刷された優秀な営業マン」


いかがでしたか?

今回お伝えしたチラシの作り方は、ブランディング目的の印刷物には向きません。

また、スーパーや家電、アパレル、賃貸物件、
飲食デリバリーなど、複数の商品を一度にお伝えするチラシの作り方ではありません。


単品通販、塾や習いごと、治療院、美容院、士業、セミナー、コンサルティング、不用品買取、興信所など、1つの商品、または、1つのサービスを紹介するチラシの作り方です。


チラシ作りというと、いまだ、多くの方が「見た目」や「デザイン」、「イメージ」を重視しがちですが、チラシは制作者や会社のセンスを表現する芸術作品ではありません。

チラシの一番の目的は、お客さまから1件でも多くの反響を得ること。

つまり、チラシは、印刷された優秀な営業マンでなければなりません。

今回お伝えしたのは、そのために必要な「効果実証済みのテクニック」です。

ぜひ、業者任せにせず、今回のテクニックを使って「売れるチラシ」を作ってみませんか?

売れるチラシを作るのに必要なことは、イラストレーターやフォトショップを使いこなすスキルではなく、「レスポンスをだす方法」を、どれだけ使いこなせるかです。

The following two tabs change content below.
アバター

大橋一慶

「売れるコトバ作りの専門家」。2002年からネット広告のベンチャー企業に入社して以来、大手ADSLプロバイダーの見込み客リストを10万件以上獲得するなど、多くのWEBプロモーションを成功させる。独立後はセールスコピーライターとして、1,000件以上の広告に携わり、年間10億円の売上に貢献するなど、ネット・紙媒体を問わず多くの案件を成功させる。なかでも「売りにくい商品を売ること」が得意で、学習塾、リフォーム、不動産、保険など、差別化が難しく、広告の反応が冷え切っている業界でも驚異的なレスポンスを叩きだす。株式会社みんなのコピー代表取締役。