「ステーキを売るな!シズルを売れ!」
…という言葉を聞いたことはありませんか?
世界的に有名な、セールス講師・コンサルタントである、エルマー・ホイラーが考えたこの言葉には、反応の高いキャッチコピーを作る上で、大きなヒントが秘められています。
シズルとは、ステーキをジュージュー焼く時の音ですが、ホイラーはこう言います。
ステーキは、決して、味で売れるのではなく、
あの肉の焼ける時の匂いが、食欲を刺激するからだと…
ホイラーの考えを日本の視点で研究した、新保民八氏は、うなぎの蒲焼を売るには、
うなぎが焼ける香ばしい匂いを、魅力的に伝えるべきだと、おっしゃいます。
食材が焼ける音や、香ばしい香りこそが、美味しいものを食べている至福の時間を、具体的にイメージさせ、お客さんの欲求を刺激し、食欲をかきたて、購入に向かわせるのです。
つまり、商品を売るには、商品そのものを売り込むのではなく、
お客さまが、それを買いたくなる主要な理由を売り込め、ということです。
その商品やサービスを手に入れると、
お客さまの、どんな欲望が満たされ、どんな問題が解決するのか?
お客さまにとって、どれほど素晴らしい出来事がおこるのか?
そして、それを一言で表現し、お客さまの感情を刺激するには、どのような言葉が必要なのか?
これらを考え抜き、キャッチコピーで、シズル感を出すことはとても重要です。
ちなみに、「ステーキを売るな!シズルを売れ!」という考え方は、
ホイラーが、10万5000もの売り言葉を分析し、1,900万人に実験した結果たどり着いた、「ホイラーの5つの公式」の内の一つです。
ホイラーは、この5つの公式を使い、多くのクライアントの売上アップを成功させました。
「ホイラーの5つの公式」は、コピーライティングを学ぶ上で、
とても重要ですので、簡単ですが、以下に、その内容をお伝えしておきます。
ホイラーの法則
■第一条 「ステーキを売るな、シズルを売れ!」
シズルとは、ステーキをジュージューと焼く、あの音だ。
広告におけるシズルとは、
あなたが売り込む商品の最大のセールスポイント。
言い換えるなら、ターゲットが「欲しい!」と反応してしまう、
一番大きな理由のことだ。
ステーキを売るのは、牛でも、新鮮な肉の写真でもない。
ジュージューと匂い立つような、あの音なのだ。
すべての商品には、シズルが隠されている。
あなたの売り込む商品に隠されたシズルを見つけ出し、
それを広告に盛り込めば、反応は格段にアップするだろう。
■第二条 「手紙を書くな、電報を打て!」
この公式の意味するところは、
「最小の言葉で、ターゲットの好意ある注意を掴め」ということだ。
あなたのターゲットは、暇ではない。
最初の言葉(フレーズ)で注意を引きつけられなければ、
あなたへの興味はすぐに失われてしまうだろう。
ダラダラと長い手紙を書いてはいけない。
電報のように、瞬時に興味を引きつけ、
いますぐに読まなくてはならない気持ちにさせるのだ。
あなたの最初の10語は、それに続く1万語よりも重要である。
■第三条 「花を添えて言え!」
これは、「あなたが言ったことを証明しろ」という意味である。
ターゲットの利益になることを述べたのなら、
次に、それを素早く証明しなくてはならない。
「誕生日おめでとう!」という言葉も、
花を添えて言うことで、あなたの気持ちがよりよく伝わる。
例え、言葉がどれだけ立派なものであっても、
行動が伴っていなければ、ターゲットの信用は得られない。
身振り手振りの行動が、あなたの言葉をより信頼出来るものに変える。
■第四条 「もしもと聞くな、どちらと聞け!」
この公式は、特にクロージングで威力を発揮する。
ターゲットに「買うか、買わないか」を選ばせてはいけない。
「これか、あれか」のどちらかを選ばせるのである。
優れた弁護士が誘導尋問をおこなうようなイメージだ。
こうすることで、ターゲットは「イエス」と言いやすくなり、
あなたも本来の目的を達成しやすくなるのだ。
■第五条 「吠え声に気をつけろ!」
声は大事なメッセージを運ぶ。
例え、どんなにシズル感のある言葉を手短に伝えたとしても、
その声が気の抜けたものであれば、ターゲットは買う気にならないだろう。
犬が「ワン」と鳴く声も、猫が「ニャン」と鳴く声も、
その声の調子だけで、言わんとすることは伝わるものだ。
活き活きとした声が、商品を売るのである。
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