オファーで掴むキャッチコピー

キャッチコピーの役割は、読者の注目を集め、広告本文へ誘導することです。

つまり、商品紹介をするのではなく、読者が思わず注目し、どうしても、その先が知りたくなるような、好奇心を刺激するコピーが必要となります。

しかし、場合によっては、商品そのものに関する説明をキャッチコピーに挿入したほうが、効果的なケースもあります。

その一つは、ターゲットの常識をはるかに上回る、オファーがある時です。

たとえば、毎月1,980円のサプリメントを、定期購入しているお客様に、決算セールとして、3ヶ月分のサプリメントを2,000円で販売するオファーの時、キャッチコピーには、堂々と、これまでにない割引価格を訴求すべきです。

キャッチコピー例:
5,940円分(3ヶ月分)の○○サプリが、先着○名様に限り2,000円!


もし、このサプリメントを買ったことが無い人ならば、そもそも、この価格が安いかどうかもわかりませんので、大して興味は持たれないでしょう。

しかし、既に、サプリメント1ヶ月分で1,980円という価格が、常識として根付いているお客様からすると、これほど、インパクトが大きい訴求はありません。

ターゲットが常識と思っている価格を、大きく下回る場合、その事実だけでも、充分に注目度の高いキャッチコピーが作れます。

このようにオファーが、キャッチコピーに使えるのは、既存顧客の常識を大幅に上回る場合だけではなく、一般常識を大幅に上回る場合にも使えます。

たとえば、先着30名様に限り、新車のCクラスのベンツが100万円だったら、どうでしょうか?

車に興味がない人ならば、たいして注目されません。

しかし、Cクラスのベンツが300万円以上することを知っている人や、100万円台の一般的な国産車に乗っている人からすると、この事実は、とても魅力的なキャッチコピーになります。

また、ファミリーレストランで、「味とサービスにご満足できなければ、全額返金」というオファーがあったらどうでしょうか?

これまでに、そんなオファーを出すファミリーレストランは見たこともありませんよね?

であれば、返金保証付きであることをキャチコピーに使えば、ターゲットの注目を一瞬で掴み、さらに、話題作りにも役立ちます。

ちなみに、デリバリーピザで有名な「ドミノ・ピザ」は、「30分以内にお届けできなければ、代金は不要」というオファーを全面に訴求したことがきかっけで、世間の注目を集め、今のような世界規模のチェーン店になったと言われています。

このように、顧客や世間の常識を、はるかに上回るオファーがあれば、それをキャッチコピーに盛り込んだほうが、効果的なケースもあるのです。


ただし、注意点があります。

顧客や世間の常識を、はるかに上回るオファーの場合、注目度は高いですが、ターゲットからそのオファーについて疑われてしまうことがあります。

たとえば、新車のベンツのCクラスが、100万円と言われても、多くの人が、「結局、色々付け加えられて300万円以上になるでしょ?」、「機能が劣ったシリーズが出たのかもしれない。」、「なんだか怪しい。」、「絶対に裏がある。」等と思ってしまうものです。

つまり、強烈なオファーをキャッチコピーに入れた場合、なぜ、そのような圧倒的にお得なオファーが提供できるのか?その理由を、しっかりと語る必要があります。

わかりやすい例としては、ネットでよく見る「激安のカニ」です。

いくつかのネットショップで、産地直送のカニが、驚くような値段で売られているのを見ますが、多くの場合「わけあり商品」という訴求をしています。

たとえば、脚が一本折れていたり、形が悪かったり、味は悪くないけど、少しの理由でマーケットに乗らなかったカニであることを訴求しています。

この説明を見れば、読者は「なるほど、だから安いんだ!」と納得し、最初に注目したオファーを信じ、商品の購入を検討し始めます。

また、返金保証付きのファミレスの場合、「そう簡単には、返金してもらえないのでは?」などの疑問を、ターゲットは考えてしまうものです。

この場合は、「レジで一言おっしゃれば、一銭もお支払いいただくこと無く、お帰りいただける。」という内容をコピーで語る必要があります。

このように、強烈なオファーは効果的ですが、ターゲットから疑われる、信用されない、というリスクもありますので、「ターゲットが納得できる理由」もセットで訴求できるようにしましょう。

また、思わず申し込みたくなるオファーの「7条件」でも、お伝えしておりますが、オファーには、ですので、見込み客が、直ちに行動を起こすための理由付けがなくてはなりません。

なので、キャッチコピーにオファーを使う場合は、「有効期限」や「数量の限定」、「特典の数に限りがある」など、見込み客がすぐに行動を起こせるような訴求を加えましょう。

もし、オファーについて、もっとたくさんの情報をお求めならば、以下の書籍がお勧めです。


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大橋一慶

「売れるコトバ作りの専門家」。2002年からネット広告のベンチャー企業に入社して以来、大手ADSLプロバイダーの見込み客リストを10万件以上獲得するなど、多くのWEBプロモーションを成功させる。独立後はセールスコピーライターとして、1,000件以上の広告に携わり、年間10億円の売上に貢献するなど、ネット・紙媒体を問わず多くの案件を成功させる。なかでも「売りにくい商品を売ること」が得意で、学習塾、リフォーム、不動産、保険など、差別化が難しく、広告の反応が冷え切っている業界でも驚異的なレスポンスを叩きだす。株式会社みんなのコピー代表取締役。