「売れるストーリー」と「売れないストーリー」

ストーリーがあると、コピーの反応が上がる!


あなたも、このような話をどこかで聞いたことがあるかもしれません。

近年、セールスの分野で「ストーリー」を使った戦略が話題になることが増えました。

しかし、ストーリーを使った戦略は、決して新しいものではありません。

この手法は、「ストーリー・テリング」と呼ばれ、大昔から存在する説得術の一つです。

今回は、この「ストーリー・テリング」について、お話いたします。

ちなみに、今回お伝えすることは、ブランディング目的のストーリー・テリングではありません。

レスポンス広告における、「ストーリー・テリング」です。



Q. ストーリーを使えば、レスポンスはあがるのか?


レスポンスがあがるかどうかは、ストーリーの内容によります。

しかし、1つだけハッキリと言えることがあります。

それは、「ストーリーは読まれる」ということです。

親が読み聞かせてくれた物語、漫画や映画、本、テレビドラマなど…

私たちは子供の頃から、物語に親しんできました。

人は、ストーリーと共に生きてきたといっても、過言ではありません。

世界中、どこの国でも神話や昔話と呼ばれるストーリーが存在します。

そして、それらのストーリーは、次の世代、そのまた次の世代へと伝承され続けます。

私たち人間は、大昔から知っていたのです。

人に何かを伝える時、ストーリーが何よりも優れた手段であることを…

人は、ストーリーを好む生き物であるということを…

たとえば、「桃太郎」がどういったストーリーか、あなたも知っているはずです。

不思議ですよね?

随分前に聞いた物語なのに、今でも覚えているのですから。

また、あなたは、「桃太郎」というストーリーから何を学んだでしょうか?

「仲間と力を合わせる」という、大切なことを学んだのではないでしょうか?

学生の時に必死に覚えた数学の方程式や、英単語すら思い出せないのが普通です。

しかし、あなたは、桃太郎がどういった話かを覚えています。

そして、物語から得た教訓や知恵までをも、覚えています。

素晴らしいストーリーは、人を引き込み、驚かせ、感動させます。

そして、人の心に残り続けます。

あのイエス・キリストも、お釈迦さんも、ストーリーを使って、その教えを人々に広めてきました。

難しい話も、信用しにくい話も、説教も…

興味深いストーリーとして語れば、スラスラと人の心に入り込んできます。

「ストーリーは読まれる」

この点においては、セールスコピーにおいても揺るぎない事実でしょう。

また、心理学の観点でも、ストーリーは人の潜在意識に働きかけると言われています。

人の行動や考えの約90%は、潜在意識が決定していると言われています。

つまり、ストーリーは相手の考えや行動に、大きく影響できるのです。

しかし、注意点があります。



Q. ストーリーならば、何でも良いのか?


「ストーリー・テリング」が効果的であることは、現在、多くの人に知れ渡りました。

しかし、多くの人が「ストーリー・テリング」について、間違えた考えをお持ちです。

それは、「とにかくストーリーを書こう!」という考えです。

ストーリーだったら、なんでも良いというわけではありません。

反応を高めるストーリーには、用途によって重要なポイントがあります。

例えば、セールスコピーでストーリー・テリングを使うならば、主に以下の用途が挙げられます。

1. コピーの前半で、読者を引き込むためにショートストーリーを展開
2. 商品の価値が伝わるよう、開発秘話や苦労話を展開
3. 商品の価値が伝わるよう、購入者の体験談を展開
4. コピー全体を通してストーリー仕立てにし、読者の好奇心をあおりながら、コピーを最後の売り込みまで読ませる…(ストーリーを通して、商品の必要性が理解できる内容であること)



上記の「2」に関しては、事実を魅力的に伝えられればOKです。

しかし、もし、上記の「1」、「3」、「4」の用途で、ストーリーを使うならば?

ターゲットが共感でき、興味を持てる話を徹底しなければなりません。

ストーリーを読んだターゲットが、「これは、私のことじゃないか」と思える内容であること。

そうでなければ、ターゲットはストーリーを途中で読むのを止めてしまいます。

もしくは、ストーリーを最後まで読んでも、あなたの提案には興味を示さないでしょう。

ストーリーは、読まれやすいという特徴があります。

しかし、最後まで読み続けてもらえるか?

ストーリーを読んで、商品を欲しいと思ってもらえるかどうかは別の話です。

ストーリーを読み続けてもらい、商品を購入してもらうには?

ターゲットが共感と興味を持てるような内容にしなければなりません。

コツとしては、商品のターゲットとなる人物を主人公に、ストーリーを語ることです。

そうすれば、ストーリーを読んだ読み手は、「これは、私のことじゃないか!」と思い、
ストーリーを読み進めながら、あなたの提案に耳を傾けるようになるのです。

そして、あなたの提案がいかに優れているかを、ストーリーを通して知ることになるのです。

もちろん、ターゲット以外の人物を主人公にしても、効果的なストーリーは書けます。

今回お伝えしたテクニックは、ほんの一部にすぎません。

次回の記事で「ハリウッド式」のストーリー・テリングのテクニックをご紹介いたします。

では、今回のまとめに入ります。


売れるストーリー「3つのポイント」

・ ストーリーは読まれる
・ ただし、読み手が興味と共感を持つストーリーを書くこと
・ ストーリーの主人公は、ターゲットを設定する



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大橋一慶

「売れるコトバ作りの専門家」。2002年からネット広告のベンチャー企業に入社して以来、大手ADSLプロバイダーの見込み客リストを10万件以上獲得するなど、多くのWEBプロモーションを成功させる。独立後はセールスコピーライターとして、1,000件以上の広告に携わり、年間10億円の売上に貢献するなど、ネット・紙媒体を問わず多くの案件を成功させる。なかでも「売りにくい商品を売ること」が得意で、学習塾、リフォーム、不動産、保険など、差別化が難しく、広告の反応が冷え切っている業界でも驚異的なレスポンスを叩きだす。株式会社みんなのコピー代表取締役。