2013年9月8日の早朝。
日本中が歓喜に満ち溢れました。
そうです。
あなたも既にご存じのとおりですが、
2020年の夏季オリンピック・パラリンピックの開催地が、東京に決定したのです。
決定打は選考最終日のプレゼンテーションにあったと言われておりますが、この話を聞いて、
わたしは、2012年ロンドンオリンピックを思い出さずにいられませんでした。
なぜなら、2012年オリンピックの開催地選考会で使われたイギリスのプロモーションムービーが、「読み手の感情を刺激するストーリー」を学ぶ上で、あまりに優れた事例と言えるからです。
今回は、反応の高いコピーを書く上で欠かせない
「ストーリー・テリング」について、勉強になる事例を紹介しましょう。
これは2005年のお話です…
2012年オリンピックの開催地を決める選考会で、
各国は熾烈なプレゼンテーション対決を繰り広げていました。
最終選考で残ったのはパリとロンドン。
フランスが用意したプロモーションムービーをてがけたのは、
世界的に有名な映画監督である「リュック・ベッソン」です。
諸々の条件も含めて、当時、パリが圧倒的に優勢と報道されていました。
しかし、選考終了後。
IOCから、周囲の予想を大きく裏切る結果が発表されました。
2012年の開催地が、ロンドンに決定したのです。
なぜ、このような、大どんでん返しが起こったのか?
当時の情報を調べると、非常に興味深い事実が明らかになりました。
Q. リュック・ベッソンに勝利した「無名監督のストーリー」とは?
ロンドンが圧倒的に不利な状況から勝利した理由。
それは、最終日に使用したプロモーションムービーが、
IOCのメンバーのハートを鷲掴みにしたからと言われています。
しかも、そのプロモーションムービーを制作したのは、
当時、世界的にほぼ無名の映像ディレクターです。
なぜ、無名のディレクターの作品が、リュック・ベッソンの作品よりも
IOCに強烈な感動を与え、ロンドンに奇跡の勝利をもたらしたのでしょうか?
それは、ロンドンのプロモーションムービーが、
「人の感情を動かすストーリー」の原理原則を、忠実に守っていたからです。
Q. 人の感情を動かすストーリーの原理原則とは?
人の感情を動かし、レスポンスを高めるストーリーには、2つの共通点があります。
1つ目は、
主人公は、読み手が共感を持つ人物であること。
2つ目は、
主人公が、困難を乗り越え成功を掴む流れであること。
この2つのポイントについては、過去の記事で詳細を解説しておりますので、
未だお読みでない方は以下の記事をご参照ください。
ロンドンのプロモーションムービーは、この2つを忠実に守り、
見る者の心を掴んで離さない内容になっていました。
具体的な内容は、様々な人種、地域の子どもたちが、
テレビで見たオリンピックをきっかけにアスリートを志し、
成功への道を歩み出す内容ですが、実際に映像をご覧いただくのが早いでしょう。
ロンドンのプロモーションムービーは、この2つを忠実に守り、
見る者の心を掴んで離さない内容になっていました。
具体的な内容は、様々な人種、地域の子どもたちが、
テレビで見たオリンピックをきっかけにアスリートを志し、
成功への道を歩み出す内容ですが、実際に映像をご覧いただくのが早いでしょう。
いかがでしょうか?
ロンドンのプロモーションムービーには、
以下2つのポイントが備わっていることに気づきましたか?
1. 主人公は、読み手が共感を持つ人物であること。
2. 主人公が、困難を乗り越え成功を掴む流れであること。
特筆すべきポイントは、登場する主人公です。
もし、このプロモーションムービーの主人公が、
白人の子供1人だったら、IOCの感情をそれほど刺激できなかったでしょう。
IOCは様々な人種・地域のメンバーで構成されています。
彼らは、このプロモーションムービーに出てくる、さまざまな人種・地域の子供達の中から、自分の境遇に近い子どもたちに共感を覚え、感情移入したのではないでしょうか。
そして、「オリンピックとはこうあるべきだ!」と、感動したのではないでしょうか。
マーケティングには、「人は感情で行動する」といった定説があります。
そして、優れたストーリーは、人の感情を強烈に刺激します。
ロンドンの勝利は、理性の部分で優勢だったフランスを、
感情で凌駕した興味深い事例と言えるでしょう。
それでは、今回の話をまとめましょう。
A. 「オリンピックのプレゼン」から学ぶ売れるストーリー戦略
1. 優れたストーリーは人の感情を強烈に刺激する
2. 感情は理性を凌駕し、人を行動に至らしめる
いかがでしたか?
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