【希少性の原理】チャゲ&飛鳥、ASKA逮捕で突き動かされた大衆心理を読み解く

さて、今日は珍しく時事ネタです。

今月の17日。

チャゲ&飛鳥のASKA逮捕という、衝撃的なニュースが世間を騒がせました。


何を隠そう、私がはじめて買ったCDは、
小学6年生のころに買った「僕はこの瞳で嘘をつく」です。

このニュースを見たとき、驚きのあまり、
納期が差し迫った仕事そっちのけで、読み入ってしまいました。


実は、今年の2月頃にも、似たような衝撃を受けた記憶があります。

ASKA容疑者の覚せい剤使用「疑惑」がニュースになったときです。

私はそのとき、思いだしたように、
「チャゲ&飛鳥/スーパーベスト」というアルバムを購入しました。


ちなみに、Amazonで「1円(+送料340円)」

私が学生の頃、中古CD屋で5,000円くらいで売られていたCDが1円…。

「今は、こんな価格で買えるのか!」と、ビックリしたのを覚えています。

それが今、チャゲ&飛鳥のベストアルバムをチェックしてみると…



軒並み「2倍~3,000倍」に値上がりしています


昨日まで、1円だったCDが、3,000円に、
また、500円だったCDが、20,000円に値上がりしています。

しかも、そのCDが、飛ぶような勢いでガンガン売れているのです。

さらに、iTunes Storeでも、上位を独占しているではありませんか。

「トップ10」に4曲もランクインしています


不思議だと思いませんか?

昨日まで、1円でも売れなかったアルバムが、
今になって、3,000円でも飛ぶように売れているのです。


昨日まで、ランク外だった曲が、いきなりランキング上位を独占しているのです。



ひとつのニュースが、大衆心理を動かしました


それは、以下のニュースです。

CHAGE and ASKAおよびASKA作品、出荷停止&回収へ


このニュースにより、チャゲ&飛鳥のCDは、
いっきに手に入れるのが難しい状況になりました。


「欲しくても、もう、手に入らないかもしれない!」
「今すぐ買わないと、後悔するかもしれない!」


多くの人が、そう直感したのでしょう。


「希少性の原理」が、大衆心理を動かしたのです。

※「希少性の原理」とは?

数が限られている、手に入りにくいなど、
「入手困難なモノほど貴重である」と捉えてしまう人間心理のこと。



さらに、ニュースのバックでくり返し流れる懐かしの名曲に、
多くのチャゲアス世代が、記憶を呼び覚まされたのでしょう。

「やっぱり、良い曲だな…」と。

その結果、CDは2倍~3,000倍という異常な高値を付けながらも、
飛ぶような勢いでガンガン売れはじめました。

「CDは売れない」と言われている、この時代に、です…!


消費者は、バカではない


勉強熱心なあなたのこと。

きっとすでに、「希少性の原理」を、
自社製品の販売に活かしているかもしれません。

たとえば、

・先着100名さま限り
・限定300個
・期間限定特価


など、その使い方はさまざまです。


でも、その「希少性の原理」。

セールスに結びついているでしょうか?


お客さまは、バカではありません。

限定数、期間限定など、もうすでに聞き飽きるほどに聞いているのです。


年中やってる「閉店セール」とおなじではありませんか?


あなたの住んでいる街にもありませんか?

1年中「閉店セール!」と宣伝しているお店。

「そんなこと言って、結局、閉店しないんでしょ?」
「閉店したとしても、どうせ、すぐに開店セールをするんでしょ?」


こう勘ぐってしまいますよね。


あなたが仕掛けた「希少性」を見たお客さまも、
もしかすると、おなじように感じているかもしれません…。

要するに、あなたの「希少性」は、何の役にも立っていない可能性があるのです。



では、「希少性の原理」は、どう使うべきか?


人が動かされるのは、「限定数」など、表に見える希少性ではありません。

その背後に隠された、「希少性の理由」なのです。


つまり、希少性の原理を最大限に有効活用するには、

・なぜ、数に限りがあるのか?
・なぜ、販売期間が限られているのか?


など、「限定である理由」が明確に説明されている必要があります。


ネット上には、デジタルデータに限定数を設定しているケースも見かけますが、
いくらでも複製できるものに希少価値を感じるほど、消費者は素直ではありません。

「どうせ、売り手の都合でしょ?」
「限定数を超えても、売り続けるんでしょ?」


と、思われるのがオチです。


今回のチャゲ&飛鳥のCDのケースでは、
「出荷停止&回収」が報道されたため、入手困難になることは、すぐに想像できます。

そのため、そのニュースを見た人々は、飛びつくようにCDを購入したのです。



さらに、希少性の効果を高めるテクニック


「限定である理由」が伝わることで、希少性の原理は、
人を購買行動に動かす、とても有効な心理テクニックになります。

しかし、爆発的な威力を発揮するのは、
「話題性(ニュース性)」と結びついたときです。


たとえば、オイルショックで売り切れが続出したトイレットペーパー。

鳥インフルエンザの報道で、いっきに在庫がなくなったサージカルマスク。

また、昔に流行った「たまごっち」なども、
希少性と話題性がミックスされた例といえるでしょう。

そして、今回のチャゲ&飛鳥のCDもおなじです。


このように「希少性の原理」は、
話題性と結びつくことで、消費者を激しく動かします。


その威力は、

・何百、何千という在庫を一瞬で売り切る勢いがあります
・忘れ去られた商品に、行列を作らせるほどの威力があります
・昨日まで、1円で売られていた商品を10,000円にしても売れるようになります


ただ、表に見える数字をコントロールするような小手先のテクニックではなく、
「なぜ、今すぐ買いたくなるのか」という、購買心理を読み解いてみてください。

きっと、あなたの商品を爆発的に売るヒントが得られるはずです。

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大橋一慶

「売れるコトバ作りの専門家」。2002年からネット広告のベンチャー企業に入社して以来、大手ADSLプロバイダーの見込み客リストを10万件以上獲得するなど、多くのWEBプロモーションを成功させる。独立後はセールスコピーライターとして、1,000件以上の広告に携わり、年間10億円の売上に貢献するなど、ネット・紙媒体を問わず多くの案件を成功させる。なかでも「売りにくい商品を売ること」が得意で、学習塾、リフォーム、不動産、保険など、差別化が難しく、広告の反応が冷え切っている業界でも驚異的なレスポンスを叩きだす。株式会社みんなのコピー代表取締役。