コピーライティングにおいて、ベネフィットを語ることはとても重要です。
あなたの提案を受けると、どのような悩みが解消し、欲求が満たされ、
どんな嬉しい未来が待っているかなど、魅力的なベネフィットを語らなければなりません。
しかし、お客さまのハートを鷲掴みにするコピーを書くうえで、
ベネフィットと同じぐらい重要な要素があることをご存知でしょうか?
最近では、「損失回避バイアス」と呼ばれますが、この人間心理を上手に刺激することで、
あなたが書くコピーのレスポンスは、大きく変わってきます。
Q.「損失回避バイアス」とは?
たとえば、私とあなたがゲームをするとしましょう。
100円玉を投げて、数字の面が表に出たら、あなたは1万円を獲得。
もし、裏が出たら、あなたは私に5,000円を支払う。
勝負はたったの1回限り!
このギャンブルに、あなたは参加しますか?
多くの実験によると、このようなシチュエーションでは、
ほとんどの人がゲームに参加しないことが明らかになっています。
勝った時の報酬は2倍ですから、チャンスのほうが大きいというのに…。
この話からわかるように、「何かを得る or 何かを失う」を選択する場合、
人は、「失いたくない!」といった気持ちの方が強くなってしまうのです。
実際、さまざまな行動経済学や社会心理学の実験で明らかになっていることですが、
人は、獲得の喜びよりも、損失の痛みのほうが2~4倍大きく感じるといわれています。
つまり、人間は「失う恐怖」を何よりも避けたいと思っているのですが、
この心理が、「損失回避バイアス」です。
そして、広告のレスポンスを高めるには、
お客様の損失回避バイアスを上手に刺激するコピーが必要です。
Q.「損失回避バイアス」をコピーライティングで活かすには?
具体的なテクニックは大きく3つあります。
■1つ目は、フィア・アピール
フィア・アピール(恐怖アピール)とは、広告の読み手に「恐怖」や「不安」を与え、
どうすれば、その恐怖を取り除くことができるのかを訴求するテクニックのこと。
言い換えれば、
「私の提案を無視すると、あなたはこんな大切なことを失いますよ」
という訴求のことです。
ただし、フィアアピールは、使い方を間違えると逆効果ですので注意が必要です。
詳しくは、こちらの記事で詳細を解説しておりますので、ご参照ください。
■2つ目は、リスクリバーサル
お客さまにとって、買い物をする際の最大のリスクとは何でしょう?
それは、商品を買った後、ムダ金を使ってしまったと後悔してしまうこと。
価格が大きくなればなるほど、この恐怖心は大きくなるものです。
どんなお客さまも、購入前には「この商品を買って損しないだろうか?」と踏みとどまり、
商品を買って得られるベネフィットと、商品を買って失うキャッシュを天秤にかけます。
そして、1グラムでも「失う恐怖」に傾いたなら、お客様は購入してくれません。
この「お金を失う恐怖」を取り除くうえで、「リスクリバーサル」は、とても効果的です。
リスクリバーサルとは、「返金保証」や「無料お試し」など、
お客さまが商品を申し込む上でのリスクを取り除くオファーのこと。
別の言い方をすれば、お客さまが申し込まない理由を取り除くためのオファーです。
では、具体的にどのようなリスクリバーサルが効果的なのか?
詳しくは、こちらの記事で詳細を解説しておりますので、ご参照ください。
■3つ目は、希少性の演出
もし、お客さまがあなたの提案に魅力を感じているのであれば?
その提案を失うこと自体が、お客さまにとってのリスクとなります。
つまり、コピーのクロージング段階では、あなたの優れた提案を
受けられるチャンスは今回しかない!とお客さまに伝えねばなりません。
もし、商品自体がレアで、ニーズの高いものであれば、期間限定、数量限定などの
オファーを設定し、キャッチコピーで希少性を演出するのもよいでしょう。
【まとめ】コピーライティングで使える心理学「損失回避バイアス」
・人は、獲得の喜びよりも、損失の痛みのほうが2~4倍大きい。
・だからこそ、失う恐怖を何よりも避けたいと思っているが、
この心理が損失回避バイアス。
・コピーでお客様の損失回避バイアスを刺激すれば、レスポンスは高まる。
・その方法として、フィアアピール、リスクリバーサル、希少性の演出が有効。
いかがでしたか?
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大橋一慶
「売れるコトバ作りの専門家」。2002年からネット広告のベンチャー企業に入社して以来、大手ADSLプロバイダーの見込み客リストを10万件以上獲得するなど、多くのWEBプロモーションを成功させる。独立後はセールスコピーライターとして、1,000件以上の広告に携わり、年間10億円の売上に貢献するなど、ネット・紙媒体を問わず多くの案件を成功させる。なかでも「売りにくい商品を売ること」が得意で、学習塾、リフォーム、不動産、保険など、差別化が難しく、広告の反応が冷え切っている業界でも驚異的なレスポンスを叩きだす。株式会社みんなのコピー代表取締役。
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