予防商品を売る方法

マーケティングやコピーライティングの勉強を進めれば、必ずぶち当たる壁があります。

それは、「予防商品は売りにくい」といった壁です。

もちろん、予防商品がまったく売れないというわけではありませんが、
今すぐ問題を解決できる商品と比べると、その反応には歴然の差があります。

しかし、訴求方法によっては、予防商品であっても、
レスポンスの良いコピーを書けるようになることを、ご存知でしょうか?

今回は、予防商品を売るとき、どのような訴求が効果的かを説明いたしましょう。


Q. なぜ、予防商品が売れないのか?


たとえば、あなたは、ある日突然、
前歯が痛くなり夜も寝られない状態になってしまいます。

あなたは、なるべく早い日程で歯科医院に予約を入れることでしょう。

しかし、治療をした歯科医院で、あなたはドクターにこう言われます。

「今後、同じような虫歯にならないために、毎月通院するのはいかがでしょうか?」
「定期的なケアが、歯の健康を維持するうえで何よりも大切ですよ」

…健康意識が高ければ、通院をはじめるかもしれません。

しかし、多くの方が「また、痛くなってからでいいか」と思ってしまうものなのです。

このたとえ話からもわかるように、お客さまの多くは、
将来ひょっとしたら起こるかもしれないリスクに関しては、今すぐ動こうとは思いません。

これは、さまざまな心理学、行動経済学の実験でも証明されている「人間の本質」ですが、
「人は緊急性を伴わなければ動かない」と言われています。

人間は、「今すぐ何かの問題や悩みを解決したい!」、
「今すぐ何かの欲求を満たしたい!」と思わなければ、行動しないものなのです。

つまり、「人は予防のためには動かない」ということであり、
予防商品は興味をもたれにくい、売りにくいという事実につながるのですが…

実は、ある状況に限っては、人は予防のために居ても立ってもいられない状態になります。



Q. 人が予防に対して積極的になる状況とは?


それは、子供、親、妻、夫、友人など、
お客様が大切におもう者が、予防の対象となったときです。

自分ではなく、自分が大切に思う者をおびやかすような問題に関しては、
人は、予防することの重要性を即座に理解し、行動できるようになるのです。


この心理現象は、実は、あらゆる予防商品で見ることができます。


たとえば、生命保険。

独身者が生命保険に入るのは、非常に珍しいケースといえるでしょう。

しかし、結婚をし、子供ができた時点で、
多くの方が生命保険に入ることを真剣に検討します。

その理由は、自分が死んだとき、残った家族を困らせたくないからです。

つまり、生命保険を売るには、子持ちの家族がベストとなるわけですが、
実際、ほとんどの生命保険会社が、ターゲットをそのように絞り込んでいます。


また、歯医者さんで、定期的な予防を勧められた場合。

その対象があなた自身である場合と、あなたの子供である場合では、
受け取る印象が大きく変わると思いませんか?

実際、歯科医院に予防目的で通院する患者さんの多くが、成人ではなく小児患者です。

つまり、ここまでの話をまとめると…



A. 予防商品を売る方法

1.
人間は、自分自身にふりかかる将来の災難を想像することは苦手で、緊急性が伴わなければ動かない。だからこそ、予防商品は興味をもたれにくいし、売りにくい。

2.
しかし、人間は、自分が大切に思う周囲の人にふりかかる将来の問題については、しっかりと想像できるし、緊急性がなくとも、その予防対策について積極的に行動できる。

3.
つまり、予防商品を販売するには、ターゲットが大切に思う、周囲の人間のリスクに訴求するやり方が、もっとも効果が得られる。


ということになります。

いかがでしたか?

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大橋一慶

「売れるコトバ作りの専門家」。2002年からネット広告のベンチャー企業に入社して以来、大手ADSLプロバイダーの見込み客リストを10万件以上獲得するなど、多くのWEBプロモーションを成功させる。独立後はセールスコピーライターとして、1,000件以上の広告に携わり、年間10億円の売上に貢献するなど、ネット・紙媒体を問わず多くの案件を成功させる。なかでも「売りにくい商品を売ること」が得意で、学習塾、リフォーム、不動産、保険など、差別化が難しく、広告の反応が冷え切っている業界でも驚異的なレスポンスを叩きだす。株式会社みんなのコピー代表取締役。