続きが気になるキャッチコピーの書き方

キャッチコピーの役割は、「ターゲットの注意を一瞬で掴み取ること」。でも実は、キャッチコピーには、もう一つ大きな役割があります。

それは、読み手を、リードコピーやボディコピーなど、広告本文へ引きこむことです。

レスポンス広告で取り扱われる商品の多くが、スーパーで買う、肉や野菜など食材のように、魅力的な写真や、割引価格など、最小限の情報で売れるものばかりではありません。レスポンス広告で売る商品の多くが、書籍、教材、スクール、高級品、嗜好品、旅行、投資、保険、法人向けサービス、特殊な機材や材料、ソフトウェア、健康食品、ヘルスケア、美容品など、その良さと必要性を理解してもらうために、広告本文で、読み手にたくさんの情報を伝える必要があります。

つまり、キャッチコピーでは、ターゲットの注意を掴みながらも、ターゲットが、「この先を、どうしても知りたい!」と思うような訴求が必要なのです。「その役割は、リードコピーにあるのでは?」と思われたかもしれません。確かに、リードコピーは、キャッチコピーで注意をしてもらった方達の興味を膨らませ、読み手をボディコピーへ誘導する役割があります。

では、そのリードコピーを読ませるには、何が必要だと思いますか?言うまでもなく、キャッチコピーには、次のリードコピーを読みたくさせるような要素が必要です。伝説的コピーライターのジョセフ・シュガーマンは、キャッチコピーから始まり、読めば読むほど、その続きが知りたくなる構成こそが、レスポンスの高いコピーを書く秘訣だとおっしゃいます。

ならば、最初に読まれるキャッチコピーは、必ず、次に続くリードコピーやボディコピーへ確実に誘導できるものでなければなりません。そうでなければ、「注目されるだけのキャッチコピー」になり、読者へ与える印象は強いが、広告が読まれず、レスポンスが得られないコピーになってしまうのです。

では、どのようなキャッチコピーが、後に続くコピーを読みたくさせるのでしょうか?

その秘訣は、商品そのものを売り込まずに、ターゲットの好奇心をかきたてることです。たとえば、質問を投げかける、挑発的なことを言う、意外な事実を述べる、見返りを伝える、新事実を公開する、有益な情報の提供を約束する、どうしても答えが知りたくなる謎を提示するなど、それを読むことで、読者に利点があることを、感じさせる訴求が必要なのです。

逆に、キャッチコピーでよくあるミスは、商品そのものを売り込んでしまうコピーです。どれだけ、読者にとって利点が高い内容でも、商品そのものを売り込んでしまうキャッチコピーでは、読み手のほとんどが、その続きを読もうと思いません。唯一反応してくれるとすれば、もともと、その商品に興味があったか、それを買おうと思っていた層だけでしょう。

たとえば、以下のキャッチコピーを見比べてみてください。

“OCUジムのトレーニングコースは、
10日で、マイナス3キロの実績があります”



このキャッチコピーは、読み手へ利点を伝えていますが、商品の売り込みが前提にあります。このようなキャッチコピーだと、スポーツジムに通いたい人や、OCUジムへの入会を検討している人で、さらにダイエットをしたい人であれば効果的かもしれません。しかし、ターゲットはかなり少なくなってしまいますよね。

では、もっとターゲット層を広げ、ダイエットをしたい人へ、ジムへの入会を提案したいならば、商品のことはおいといて、利点を伝えながらも、その先が知りたくなるキャッチコピーにする必要があります。たとえば、以下の様なキャッチコピーです。

“10日で、体重を3キロ落とすトレーニング法とは?”


もしくは、

“なぜ、たった10日で、体重を3キロ落とせたのか?”


や、

“彼が、どうやって、10日で、体重を3キロ落としたのか…
その秘訣を、あなたも知りたくありませんか?”


などの、キャッチコピーが作れます。

なかなか、難しいかもしれませんが、「その先を読まずにいられないキャッチコピー」ついて、デイヴィッド・オグルヴィは、「ヘッドラインの最後には、思わず先を読みたくなるような言葉を入れること」といいます。たとえば、キャッチコピーの最後の言葉を「方法」「秘訣」「とは?」などの単語で置き換えるところから、考えてみても良いでしょう。

もちろん、単純に好奇心を掻き立てるだけではなく、商品を売り込むこと無く、ターゲットが思わず注目してしまう、魅力的なベネフィットを訴求しながら、ということを忘れてはいけません。


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大橋一慶

「売れるコトバ作りの専門家」。2002年からネット広告のベンチャー企業に入社して以来、大手ADSLプロバイダーの見込み客リストを10万件以上獲得するなど、多くのWEBプロモーションを成功させる。独立後はセールスコピーライターとして、1,000件以上の広告に携わり、年間10億円の売上に貢献するなど、ネット・紙媒体を問わず多くの案件を成功させる。なかでも「売りにくい商品を売ること」が得意で、学習塾、リフォーム、不動産、保険など、差別化が難しく、広告の反応が冷え切っている業界でも驚異的なレスポンスを叩きだす。株式会社みんなのコピー代表取締役。