お客さまの理性を吹っ飛ばす「最強の言葉」

もし、あなたが、この「最強の言葉」を使いこなすことができたなら?

あなたは、思い通りに広告のレスポンスを高めることができるでしょう。

ただし、正しい使い方を知っていればの話です…


Q. お客さまの理性を吹っ飛ばす最強の言葉とは?


それは、「無料」という言葉です。

あなたも、これまでに「無料」という言葉に飛びついた経験はないでしょうか?

例えば、

「送料無料」
「代引き手数料無料」
「無料アプリ」
「無料動画」
「無料ゲーム」
「無料通話」
「無料サンプル」
「無料お試しキット」
「無料講座」
「●●を買うと、今なら無料で●●がもらえる」
「キムチ食べ放題(無料)」
「ごはんのおかわり自由(無料)」

など、世の中には業界、業種を問わず、無料のサービスが溢れるほど存在しています。

その理由は、「無料」という言葉は人々の注目を集め、理性を吹き飛ばす威力があるから。

たとえば、300円のものが、100円に値下げされていたら、あなたは買うでしょうか?

買うかもしれませんね。

では、300円のものが、50円に値下げされていたら?

もちろん、買うかもしれません。

では、300円のものが、無料で手に入るなら?

かなりの確率で、それを手に入れるでしょう。

値段ゼロは、単なる価格ではなく、感情のホットボタンであり、興奮の源なのです。



Q. なぜ、無料が、これほどまでの威力を持つのか?


行動経済学者である「ダン・アリエリー」は、様々な実験において、
「無料」が人々の行動にどれほど大きい影響力を持つかを、明らかにしてきました。

例えば、スイスの高級チョコレート「リンツのトリュフ」と、
庶民的なチョコとして有名な「ハーシーのキスチョコ」を使った実験は有名な話です。

アリエリーの実験では、リンツのトリュフに、ひと粒15セント(卸売価格の約半分)、
ハーシーのキスチョコに、ひと粒1セントという値段を付けて販売したところ、
お客さまの73%が、リンツのトリュフを購入しました。

リンツのトリュフが半額なんて、めったにないことですから、
お客さまのほとんどが、合理的に物事を判断して購入したということです。

次の実験では、リンツのトリュフに、ひと粒14セント、
ハーシーのキスチョコひと粒0セント(無料)にして販売すると、
キスチョコの人気は爆発し、69%のお客さまが、0円のキスチョコに殺到したのです。

両チョコレートの値段差は14セントで、一回目の実験と変わりません。

価格と品質の費用対効果も変わらないはずなのに、
無料が持ち込まれた途端、お客さまの好みが逆転してしまったのです。

このような実験を繰り返してきたアリエリーは、
無料が人々にもたらす影響力について、次のように説明されています。

たいていの商取引には、良い面と悪い面があるが、何かが無料!になると、わたしたちは悪い面を忘れさり、無料であることに感動して、提供されているものを、実際より価値のあるものと思ってしまう。なぜだろう。それは、人間が失うことを本質的に恐れるからではないかと思う。無料の本当の魅力は、恐れと結びついている。無料のものを選べば、目に見えて何かを失うという心配はない。(何しろ無料なのだ)。ところが、無料でないものを選ぶと、まずい選択をしたかもしれないという危険性がどうしても残る。だから、どちらにするかと言われれば、無料の方を選ぶ。



つまり、リスクが無いというポイントが、人の理性を吹き飛ばし、行動させるということ。

世の中には「無料」という言葉を巧みに使って、キャンペーンを展開している企業がたくさんありますが、彼らは、無料の威力を知っており、それをビジネスで応用しているに過ぎません。


Q. 具体的に、「無料」は、どうやって使えば良いか?


シンプルに「無料オファーの目的は、客寄せ」と考えて下さい。

ですから、無料で何かを提供するだけでは、赤字になるだけなので、
無料をフックに集めたお客さまから、利益を生み出す仕組みが必要となります。

例えば、無料オファーを使ったビジネスには、以下のような仕組みがあります。

「送料無料」、「代引き手数料無料」
「◯◯円以上、買い物をしてくれたら送料無料」のように条件をつけて、販売側が送料や代引き手数料を肩代わりしても、利益が余る計算でビジネスを展開する。また、商品の単価が高ければ、条件なしで送料無料、代引き手数料無料というオファーを付け、成約率を高めることも可能です。


「無料アプリ」、「無料動画」、「無料ゲーム」
ゲームや動画の画面に表示する広告枠を販売して広告料金を得る。また、ゲームで使うアイテムやポイントを有料で販売したり、有料版のゲームへ誘導する戦略もよくみられます。


「無料サンプル」、「無料お試しキット」、「無料講座」
リスト(見込み客)を集めて、その後の販促で有料商品を売り込み、リピーターに教育する。通販業界で、この手法は頻繁に使われます。


「●●を買うと、今なら無料で●●円分の●●がもらえる」
キャンペーンの成約率を高めるための特典として、無料オファーが使われることは珍しくありません。もちろん、その特典にかかるコストは、全体の売上からみると微かなものであるべきです。※無料特典の詳細については、こちらをご覧下さい。



他にも様々な仕掛けがありますが、これら無料オファーを使う場合は、注意点があります。


Q. 無料オファーの注意点とは?


人は、タダで手に入るものには、あまり注意を払わず、大切にしません。

また、無料という言葉は、「それほど欲しくなくても、つい手を伸ばしてしまう…」
という、軽はずみな行動をお客さまにとらせてしまいます。

つまり、無料オファーをフックに集客した場合、
意欲の低い見込み客や、質の悪い見込み客が集まりやすいということ。


例えば、無料オファーをフックに、見込み客を集め、
後に、有料商品を買ってもらおうとするプロモーションを展開したとします。

この場合、見込み客はたくさん集客できたが、後のプロモーションで、有料商品を買ってくれたお客さまが少なすぎて、赤字になった!というケースは珍しくありません。

無料オファーは、物やサービスを最大数の人々に届ける上で効果的な方法ですが、
「引き上げ戦略」が甘ければ、お金を無駄遣いするだけの結果に終わります。
(※引き上げ戦略とは、無料オファーで集めた見込み客から、利益を生み出す戦略のこと。)

この点は、実に多くの通販企業が悩んでいることでもあり、
私自身も、これだと思える正解には、未だたどり着いていません。

しかし、もし、「100発100中の引き上げ戦略」を開発できたなら、
ビジネスを成功させることは、それほど難しくなくなるでしょう。

それでは、今回の話をまとめましょう。



A. お客さまの理性を吹っ飛ばす、最強の言葉とは?

1. 「無料」という言葉は、お客さまの理性を吹っ飛ばすホットボタン。
2. 「無料オファー」は「客寄せ」において有効。ただし、「無料オファー」をフックに集めた見込み客は、質が悪い場合が多いので、優れた引き上げ戦略が必要となる。


いかがでしたか?

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大橋一慶

「売れるコトバ作りの専門家」。2002年からネット広告のベンチャー企業に入社して以来、大手ADSLプロバイダーの見込み客リストを10万件以上獲得するなど、多くのWEBプロモーションを成功させる。独立後はセールスコピーライターとして、1,000件以上の広告に携わり、年間10億円の売上に貢献するなど、ネット・紙媒体を問わず多くの案件を成功させる。なかでも「売りにくい商品を売ること」が得意で、学習塾、リフォーム、不動産、保険など、差別化が難しく、広告の反応が冷え切っている業界でも驚異的なレスポンスを叩きだす。株式会社みんなのコピー代表取締役。