男性向けコピーと女性向けコピーの違い

なぜ、男性の多くは、女性の買い物に付き合うと、疲れ果ててしまうのでしょうか?

コピーライティングを学ぶならば、この理由は必ず知るべきです。

なぜなら、買い物における考え方が、男女間では根本的に異なるからです。

今回は、ターゲットを男女で分ける際に必要な、コピーライティングのコツをお話します。


Q. 男性は買い物が嫌いなのか?


「先週、彼女と買い物に行ったんだけど…」
「3時間も歩きまわって、結局、何も買わないんだよ。」

このような男性の愚痴を聞いたことはありませんか?

もちろん、女性に悪気はありません。

実は、男性と女性では、買い物に求めるものが大きく異なるのです。

この「男女の買い物における違い」を調査した博報堂の買物行動研究プロジェクトは、
調査の結果、「男脳」「女脳」という2つのモデルを導き出しました。



Q. 男脳とは?


男脳では、買い物に成果を求めます。

買い物では、よりよい物を手に入れたい、納得感の高い買い物がしたい気持ちが働きます。

また、性能や機能、スペックなども重要視します。

そして、買い物を行く前に、目的の商品を決め、お目当ての売り場まで直行します。

さらに、目的の物を手に入れたら、すぐに帰るといった特徴があります。

「狩り」のイメージに近いといえるでしょう。

男脳にとって買い物は、目的の物を手に入れるための行動なのです。



Q. 女脳とは?


しかし、女脳では、買い物に快楽を求めます。

よく、女性から「買い物でストレス発散」という言葉を聞きます。

多くの女性にとって買い物は、その行為自体が楽しく、快楽を満たすための行動なのです。

目的の物を手に入れるだけではなく、買い物そのものを楽しむことができるのです。

よく、母親と年頃の娘が、仲良くウィンドウショッピングを楽しんでいる光景を見かけます。

しかし、父親と年頃の息子では、あまり見かけることのない光景ではないでしょうか?

また、何かを買う時も、女性は、機能やスペックではなく、「かわいい」という印象や、「周りから褒めてもらえる」などのイメージを重視し、直感買いも珍しくありません。

例えば、何となく入ったお店の雑貨に目を奪われ、「かわいい!」の一言と共に、一瞬で購入意欲に火がつくといったケースも珍しくありません。

服を試着する時も、店員や友達、彼氏から「かわいい!」「凄く似合う!」のように褒められると、買おうと思っていなかった商品でも、思わず買ってしまう傾向があります。

もちろん、男性でも衝動買いはありますが、それは、多くの場合、昔から欲しかった物がいきなり目の前に現れた時がほとんどですから、女性の直感買いとは異なります。

これは、あくまで統計的な話で、個人によって違いはあるでしょう。

もちろん、男脳と女脳の違いに優劣は存在しません。

しかし、この男女間の違いについては、コピーライティングでも注意せねばなりません。



Q. 男脳向けのコピーライティングとは?


まず、ターゲットが男性の場合は、左脳型のコピーが必要となります。

その商品が、その買い物がどれだけ優れた選択かを、しっかりと説明せねばなりません。

また、読み手を説得するデーターや証拠を、しっかりと提供せねばなりません。

表現よりも、伝える内容の詳細さや、信憑性、整合性の方が重要視されます。

このような点が購入のポイントになりますので、文章量は多くなります。

コピーの書き方については、一般的なダイレクトレスポンス系のコピーライティングが学べる書籍や教材で紹介されているテクニックや考え方で充分に通用します。

しかし、女性向けのコピーだと、考え方を変える必要があります。



Q. 女脳向けのコピーライティングとは?


ターゲットが女性の場合は、重要なのはイメージです。

データーや証拠で理論的に、商品の良さを説得するコピーよりも、感情や直感を刺激するコピーの方が良いと言われます。

事例や科学的な裏付けを並べ、商品の優れた点や詳細を長々と語るのではありません。

商品の優れた点について、全体の構造、全体のメカニズム、大筋のストーリー等を見せ、
なにか一つ「ピン!」と来させることができれば、読み手は商品に興味を持ってくれます。

また、ベネフィットを語る際にも注意が必要です。

一般的には、ベネフィットを語る場合、その商品を使うことで、どれだけ素晴らしい体験が得られるかを、具体的なシーンで描く必要があります。

これは、男女共に同じです。

しかし、女性向けのコピーでは、どんなシーンを描くかが、男性とは大きく異なります。

女性向けのコピーでベネフィットを描くならば、

「ドキドキするシーン」
「恋愛をイメージさせるシーン」
「褒められているシーン」
「快楽を得ているシーン」
「刺激的なシーン」
「幸せな気分に浸っているシーン」


などを、ロマンティックに、そしてリアルにイメージさせるコピーが有効です。

女脳の特徴にあわせて、より、感情と直感を刺激する必要があるのです。



Q. 具体的に、どのように違うの?


例えば「料金後払いがOKな結婚式プラン」があるとします。

このプランを新郎側に売り込むなら、語るべきベネフィットは以下になります。

「前金は一切必要ありません。ゲストから頂いたご祝儀から、後払いでご精算していただけます。なので、招待客の人数が正確にわかれば、あなたは金銭的にムリをせず、お友達や同僚、親族に恥じないような一流ホテルで披露宴ができ、新婦様にも最高の思い出がプレゼントできます。」



しかし、新婦側に売り込むなら、このようなベネフィットではよくありません。

むしろ、こんなベネフィットを新婦側に伝えてしまっては、逆にガッカリされてしまうことでしょう。

もし、新婦側に結婚式プランを伝えるなら、どれだけお得な条件があったとしても、

まずは、

憧れのウェディングドレスを着るキラキラ感。

美しい教会のバージンロードを歩き、ロマンティックな雰囲気で新郎から愛の告白。

豪華な披露宴会場で、友だちから「きれい!」「かわいい!」と絶賛される自分。



このようなシーンをイメージできるベネフィットを伝えねばなりません。


ただし、注意点があります。

男女によって、コピーを書く上での注意点はありますが、
ベースとなるテクニックは男女共に共通しているということ。

例えば、コピーを書く前は、リサーチを徹底する。

商品のベネフィットを魅力的に語る。

なるべく簡単な言葉で、わかりやすく説明する。

商品の良さを客観的に証明する。

お得な買い物であることを理解してもらう。

今すぐ購入してもらうなど。

コピーを書く上で守るべき諸々のルールは共通しています。

男性と女性向けのコピーライティングの違いは、
あくまで、基本的なコピーライティングのルールを守った上での違いと理解しましょう。

それでは、今回の話をまとめましょう。


A. 性別に分けたコピーライティングの秘訣

【ターゲットが男性の場合】

・男脳=(買い物に成果を求める)
・左脳型のコピーが必要
・性能や機能、スペック等を重要視
・読み手を説得するデーターや証拠を、しっかりと提供
・表現よりも、伝える内容の詳細さや、信憑性、整合性を大切に

【ターゲットが女性の場合】

・女脳=(買い物に快楽を求める)
・感情や直感を刺激するコピーが必要
・性能、機能、スペックではなく、イメージが大切
・「ほめられたい」という願望に注目
・ロマンティックかつリアルにベネフィットを描く


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大橋一慶

「売れるコトバ作りの専門家」。2002年からネット広告のベンチャー企業に入社して以来、大手ADSLプロバイダーの見込み客リストを10万件以上獲得するなど、多くのWEBプロモーションを成功させる。独立後はセールスコピーライターとして、1,000件以上の広告に携わり、年間10億円の売上に貢献するなど、ネット・紙媒体を問わず多くの案件を成功させる。なかでも「売りにくい商品を売ること」が得意で、学習塾、リフォーム、不動産、保険など、差別化が難しく、広告の反応が冷え切っている業界でも驚異的なレスポンスを叩きだす。株式会社みんなのコピー代表取締役。