逆効果のベネフィット(ベネフィットの意味を正しく知る)

コピーライティングにおいてベネフィットの訴求が重要であることは、
過去の記事でも何度かお伝えしました。

しかし、場合によってはベネフィットの訴求が、
コピーのレスポンスを下げる原因になってしまう
ことをご存知でしょうか?

今回は、ベネフィットの正しい使い方についてお伝えしましょう。


Q. 「ベネフィット」とは?


まずは、おさらいです。

ベネフィットとは「恩恵」のことです。

わかりやすく言えば、あなたの商品やサービスを
使うことによって得られる嬉しい体験や、求めてやまない未来のこと。


お客さまは、商品やサービスが欲しいのではなく、
それを使用することで得られるベネフィットが欲しいからこそ申込みます。


たとえば、電動ドリルを販売する場合。

お客さまは、直径0.6センチの電動ドリルが欲しいのではなく、
子どもの写真をかけるための、直径0.6センチの穴が欲しいのです。

ゴルフクラブの場合、お客さまが欲しいのは金属の棒ではありません。

また、新しい素材やデザインでもありません。

お客さまは、新しいゴルフクラブを使うことによって得られるベネフィット、
つまり、飛距離アップやスコアアップを求めているのです。

このように、コピーライティングにおいてベネフィットの訴求は、
レスポンスを高める上で、とても重要なポイントです。

しかし、ベネフィットを訴求する場合、あることに注意しなければ
レスポンスを下げる原因になってしまうことをご存知でしょうか?



Q. ベネフィットの訴求で、こんな間違いをしていませんか?


よくあるベネフィットの間違いとは?

それは、「お客さまが実感できないベネフィット」を訴求すること。

別の言い方をすれば、お客さまの許容範囲を
はるかに超えてしまうベネフィットを訴求してしまうことです。


たとえば、短期間で大幅減量できるベネフィットを持つ、ダイエット食品があるとします。

この場合、

「まさか、体重150kgだった私が、たった3週間で40kgも減量できたなんて…」

というキャッチコピーをみたお客さまは、どう思うでしょうか?

体重150kg以上で、早急にダイエットをしたい方なら、
このキャッチコピーに興味を持つかもしれません。

しかし、体重53kgの女性が、このキャッチコピーをみたらどうでしょうか?

思わず驚き、注目してしまうかもしれませんが、「自分には関係ない」と思いますよね。

なぜなら、彼女達が落としたい体重は、多くの場合マイナス10kg以内なのですから。

確かに、意外性の高い大きなベネフィットは人々の注意を掴めます。

しかし、ベネフィットが、自分に起こりえる常識の範疇をこえてしまうと、
お客さまは、そのベネフィットに対して興味を失ってしまいます。


最悪の場合は、お客さまに疑いを持たれ、
レスポンスを下げる原因にもなってしまうのです。

また、似たような商品が溢れかえり、たくさんの情報が交錯する現代では、オーバーなベネフィットは、お客さまから信用されない傾向にあることをご存知でしょうか?



Q. では、どのようなベネフィットが効果的なのか?


そのポイントは2つ。

1. ターゲットにとって現実的なベネフィットであること
2. 手軽に実感できるベネフィットであること


ベネフィットを考える前に、ターゲットがおかれている状況をよく理解しましょう。

そして、彼らの価値観や生活観から逸脱しないベネフィットを訴求しましょう。

たとえば、年収400万円以下で、毎月3万円の
お小遣いが使える会社員へ、副業ビジネスを販売する場合ならば?

以下のようなベネフィットを訴求するのはよくありません。

「副業で毎月200万円稼ぐ方法があります」
「この方法で会社を辞めて、海外リゾート地でリッチな毎日を送りませんか?」


以下のように、ターゲットにとって現実的であり、
手軽に実感できるベネフィットを訴求すべきです。

「お昼休みの10分を使って、毎月7万円の副収入が得られたらどうしますか?」
「奥さんを豪華なディナーに連れて行くことも、家族で毎年旅行にも行けますよね」



それでは今回の話をまとめましょう。


【まとめ】逆効果のベネフィット(ベネフィットの意味を正しく知る)

1. レスポンスを下げるベネフィットとは?
それは、「お客さまが実感できないベネフィット」。ベネフィットが、自分に起こりえる常識の範疇をこえてしまうと、お客さまは、そのベネフィットに対して興味を失ってしまう。さらに、最悪の場合は、お客さまに疑いを持たれ、レスポンスを下げる原因にもなる。

2. レスポンスを高めるベネフィットとは?
それは、ターゲットにとって現実的なベネフィットであり、手軽に実感できるベネフィット。このようなベネフィットを抽出するには、事前にターゲットがおかれている状況をよく調べ、彼らの価値観や生活観を理解しておくこと。


いかがでしたか?

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大橋一慶

「売れるコトバ作りの専門家」。2002年からネット広告のベンチャー企業に入社して以来、大手ADSLプロバイダーの見込み客リストを10万件以上獲得するなど、多くのWEBプロモーションを成功させる。独立後はセールスコピーライターとして、1,000件以上の広告に携わり、年間10億円の売上に貢献するなど、ネット・紙媒体を問わず多くの案件を成功させる。なかでも「売りにくい商品を売ること」が得意で、学習塾、リフォーム、不動産、保険など、差別化が難しく、広告の反応が冷え切っている業界でも驚異的なレスポンスを叩きだす。株式会社みんなのコピー代表取締役。